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【お知らせ】

■ 2024年度 秋学期の卒業研究に使用する、各種配布資料を

  [在学生のページ]-[2024年度秋学期ライブラリ]

 に掲載しました。

 


★新型コロナウイルスに対する注意★

 東海大学では「学内警戒レベル」を設定し入構制限を実施しています。

「学内警戒レベル」は、政府,自治体の動向を参考にしつつ、学内の感染状況などを鑑み、大学で決定いたします。

 大学ホームページを参照し、入構の際には最新情報にご注意ください。

 


■遠隔授業の準備方法を

【遠隔授業/コロナ関連】-[サポートマニュアル]のページに掲載しています

■授業支援システムの利用制限について

注)2020年度 秋学期からは、新授業支援システム(OpenLMS)に移行しています。

  OpenLMSではアクセス制限はありません。 

 

 


材料科学科ニュース (2023年度)

2023年度の材料科学科のトピックスを掲載



材料科学科・工学研究科応用理化学専攻金属材料学領域合同の「キャリア支援教育」を開催しました

2024年1月24日

工学部材料科学科と大学院工学研究科応用理化学専攻金属材料学領域では1月15日から24日まで、湘南キャンパスで「キャリア支援教育」として企業説明会を開催しました。本学科3年次生の「先行卒業研究」と本専攻1年次生の「応用理化学研究ゼミナール2」の授業の一環で開いたもので、材料技術者としての自覚を持ち、明確な目標を設定して卒業できるよう支援しようと、10年以上にわたって実施しているもの。宮沢靖幸教授ら本学科の教職員が長年にわたって連携してきた企業や、本学科同窓会「金剛会」の協力を得て6日間で計30社の人事担当者らが来学し、各社20分で企業概要や具体的な仕事内容、福利厚生のほか、卒業生社員が自身の就職活動のスケジュールや仕事のやりがいなどを語りました。

 

19日の回に登壇した株式会社プロテリアルの則正雄賀さん(大学院工学研究科応用理化学専攻2020年度修了)は、「私自身もそうでしたが、まだ就職活動に対してぼんやりとしたイメージしかないという学生もいると思うので、就活の経験や仕事内容を伝えることで今後の選択肢を広げるきっかけになれば」とコメント。金属技研株式会社の片倉彰真さん(工学部材料科学科21年度卒)は、「学生のときに今回と同様の説明会で企業の担当者の方と直接話す機会があり、大学で研究していたろう付けの技術を現場で生かせるのではと今の会社に興味を持ちました。後輩たちを前に説明するのは緊張しましたが、こうした機会をいただけて感慨深い」と話していました。

 

参加した大学院工学研究科応用理化学専攻の学生は、「さまざまな企業の担当者の話を聞き、どの会社からも“社会の役に立ちたい”という強い思いを感じました。卒業生の先輩方なので、企業が開催する説明会から一歩踏み込んだ話が聞けました。自分の研究分野と異なる企業や業界にも興味が広がりました」と話していました。各社の説明終了後には個別質問の時間も設け、学生たちは積極的に採用試験や業務の内容などを聞いていました。

 

■東海大学・お知らせ(工学部ニュース)に掲載

https://www.u-tokai.ac.jp/ud-engineering/news/12474/


タイ・KMUTTと合同で国際会議を開催しました

2024年1月18日

東海大学では11月23、24日にタイのイースティングランドホテルで、タイ・モンクット王トンブリ工科大学(KMUTT)との合同国際学会「International Conference on Materials Processing Technology 2023」を開催しました。2003年から2年に1度、タイと日本で交互に実施してきた金属材料およびその加工技術についての国際会議で、コロナ禍での中止を経て15回目の開催となった今回は工学部機械工学科の宮沢靖幸教授と槌谷和義教授、吉田一也客員教授のほか、工学部と大学院工学研究科、大学院総合理工学研究科の学生が参加しました。

 

両日ともに基調講演を行い、槌谷教授が「医療改善のためのマイクロニードルセンサー技術」、宮沢教授が「ステンレスのろう付けとろう付け接合部の解析」をテーマにそれぞれの研究成果などを語りました。会場では本学とKMUTTの学生、大学院生による口頭発表も実施し、それぞれに最新の研究成果を報告するとともに、今後の研究計画や将来の可能性について活発に意見交換。参加賞として記念品と発表証明が贈られました。大学院総合理工学研究科総合理工学専攻の加藤淳也さん(材料・化学コース、指導教員=宮沢教授)は、「海外での学会に参加するのは3回目でしたが、今回は一つの分野ではなく幅広い研究者が一堂に会し、さまざまな研究について発表していたので、分野の異なる研究に触れ、多くの人と言葉を交わす中でたくさんの学びを得られました」と話していました。

 

■東海大学・お知らせ(工学部ニュース)に掲載

https://www.u-tokai.ac.jp/ud-engineering/news/12382/


機械工学科(材料科学科)の宮沢教授が錦城高校で模擬授業を行いました

2023年12月19日

工学部機械工学科(材料科学科)の宮沢靖幸教授が12月19日に、東京都小平市の錦城高校で模擬授業を行いました。同校では、理系・文系を選択した1年生に大学での勉強や研究について理解を深めてもらおうと、昨年度から模擬授業が実施されています。宮沢教授は「機械材料・金属材料から知る工学(エンジニアリング)の奥深さ~飛行機や新幹線と蜂の巣の意外な関係~全てのモノづくりは機械材料・金属材料と接合技術が起点だ!」と題して講義と実験を行い、20名の生徒が受講しました。

 

宮沢教授は長年にわたって研究している「ろう付け」について解説したほか、本学科での学びや、複数の専門分野の学生が学んでいるといった湘南キャンパスの特徴などを紹介。輸送機器の車輛に必要な材料と関連技術、旅客機が空を飛ぶ原理や車輛重量などについても解説し、「段ボールや発泡スチロール、プラスチックなどさまざまな軽い材料がありますが、旅客機の機体は軽くて強い材料で作る必要があります」と話しました。実験では、軽量な材料の一つである「クロスビーム」の重さや、正六角形柱が隙間なく並んだハチの巣状の「ハニカム構造」を使ったサンドイッチパネルの強度を体感してもらったほか、バネ状の形状記憶合金を伸ばしてお湯につけると元に戻る様子も観察しました。宮沢教授は、「いい食材を使っても調理方法を間違えると失敗した料理が出来上がる一方、どんな食材でも調理方法次第でおいしくなります。機械材料も同じで、軽くて強い材料を作るだけではなく、そのよさを生かす技術や知識が必要」と話しました。

宮沢教授は、「生徒たちは熱心に話を聞き、特に実験は興味を持って見てくれました。1年生のうちからこのような模擬授業を実施している学校はそう多くありません。機械材料の魅力や面白さを知り、将来の選択に生かしてほしい」と話していました。

 

■東海大学・お知らせ(工学部ニュース)に掲載

https://www.u-tokai.ac.jp/ud-engineering/news/12349/


工学研究科の大学院生らが執筆した論文が科学ジャーナル『Ceramics International』に掲載されました

2023年12月8日

大学院工学研究科応用理化学専攻1年次生の小橋海斗さん(指導教員=高尻雅之教授・工学部応用化学科/材料科学科)らが執筆した熱を電気に変換する熱電変換材料に関する論文「Low-dimensional heterostructures of tin nanoparticle-decorated Bi2Te3 nanoplates for reducing lattice thermal conductivity」が、10月16日付けで科学ジャーナル『Ceramics International』に掲載されました。

 

高尻教授の研究室ではこれまで、熱変換材料の一つである正六角形型で単結晶の「ビスマス・テルルナノプレート」の生成方法を解明していましたが、さらに性能を高める加工方法は明らかになっていないため、小橋さんはナノプレートの熱伝導率を下げる新たな加工方法を発見しようと、4年次生のころから研究を重ねてきました。熱の流れを妨げるためには、材料に障害物を付着させる必要があり、実験の結果もっとも熱伝導率を下げる効果があった錫に着目。さまざまな濃度の塩化錫の水溶液を使って、ナノプレートに無電解メッキで錫ナノ粒子を付着させました。その後プレス機で圧縮して、厚さ0.6ミリの多結晶のナノプレートを作って熱伝導率を調べると、濃度90ミリモルの塩化錫水溶液を使ったナノプレートは、加工していない多結晶ナノプレートに比べて、熱伝導率が約30パーセント低下したことがわかりました。

 

指導した高尻教授は、「無電解メッキでナノプレートに錫ナノ粒子をつけられることを明らかにしたのが、一番の功績だと思います。さらに、加工したナノプレートを塊にすると、その内部まで錫ナノ粒子がついている状態になるので、熱伝導率を下げる有効な材料として確立されました」と評価します。小橋さんは、「今後は加工する前のナノプレートそのもののサイズを変えて、より熱伝導率の低い素材を作りたい」と話しました。

 

■東海大学・お知らせ(工学部ニュース)に掲載

https://www.u-tokai.ac.jp/gd-engineering/news/977/

 

■東海大学新聞(2024年1月1日 第1133号)にも掲載

(左に新聞記事を掲載)


「第37回ダイヤモンドシンポジウム」が開催されました

2023年11月24日

湘南キャンパスで11月14日から16日まで、一般社団法人ニューダイヤモンドフォーラム主催の「第37回ダイヤモンドシンポジウム」が開催されました。同シンポは、CVD(化学気相成長法)ダイヤモンドを中心とするニューダイヤモンドの技術開発ならびに新用途分野開発に向けて、産学官の研究者や技術者の情報交換・相互研鑽の場とすることなどを目的に、毎年各地の大学や研究所などを会場に開かれています。初めて本学で開催された今回は、3日間にわたって「オーラルセッション」と「ポスターセッション」が行われたほか、2日目には青山学院大学理工学部教授の澤邊厚仁氏による特別講演「ヘテロエピタキシャルダイヤモンド研究のまとめ」と学術交流会も実施されました。

 

初日のポスター発表には、本学から大学院工学研究科の大学院生3名が参加しました。

井出岳さん(2年次生)は、「熱CVD法によるCNT合成における二層触媒金属の組織解析」をテーマに発表しました。自動車などに用いられるワイヤーハーネス等への応用を目指して、カーボンナノチューブ(CNT)を糸状に加工する際に二層触媒金属を使用し、触媒の粒径や形状、元素分析を行った成果を発表しました。「このような場での研究発表は初めてで、参加者の皆さんと議論する中で新しい知見を得られるとともに、自分の研究の方向性が見えてきました」と充実の表情を見せていました。

「AlN基板上でのCNT垂直配向膜の合成と構造評価」と題した研究を発表した菊地詩音さん(同)は、ノートパソコンやスマートフォンなどの小型電子機器の熱制御に使われているグラファイトシートの垂直方向の熱伝導性が低いという課題を解決するために、CNTを使用できないか検討。「CNTを活用できれば処理速度がアップし、製品も長持ちするようになります。発表は初日のみですが、講演や他の方たちの発表を聞いて最新の技術を学び知見を広げるのが楽しみです」と期待を語りました。

また、CNTを糸状に撚って加熱処理を加え、構造評価を行い、「異なる紡績条件で作製したCNT糸の機械的性質と熱処理効果の検討」と題して発表した岡田環さん(1年次生)は、「まだまだ強度にバラつきがありますが、加熱処理で一定の強度を保証できればさまざまな製品に応用できるようになります。聞きに来てくださった方々との会話はとても有意義で、今後につながるアドバイスもいただきました」と話していました。

 

実行委員長を務めた葛巻徹教授(工学部機械工学科・材料科学科)は、「過去3年ほどポスター発表はオンライン開催のみでした。今回やっと対面に戻すことができ、学術交流会を含めてフルスペックでの開催となりました。本学での開催は初めてで、研究室総出で準備に当たりました。学生たちは研究発表だけでなく運営についても多くのことを学んでくれたのではないでしょうか。コロナ禍で学会などでの発表を経験できなかった学生が多かったので、今回の経験を今後につなげてほしい」と話していました。

 

■東海大学・お知らせ(工学部ニュース)に掲載

https://www.u-tokai.ac.jp/ud-engineering/news/11949/


「2023 SASシンポジウム」が開催されました

2023年11月10日

湘南キャンパスで11月9、10日に、「2023 SASシンポジウム」(主催:SAS/Society of Advanced Science、後援:大学院工学研究科)を開催しました。

1989年に設立されたSASは、企業経営者や研究者、地域産業界らが一体となって分野の垣根を越えて協力し、科学技術の将来を託す学生や若手技術者の育成を通じて社会貢献を目指す、本学を中心に結成された学術団体です。シンポジウムは、自然科学全般にわたる研究や独自技術を発表する産官学交流の場として毎年開催されています。

実行委員長の源馬龍太准教授(工学部・応用化学科/材料科学科)があいさつに立ち、「私自身が最初に学会発表をしたのがこのSASシンポジウムでした。分野の垣根を超えて互いに学び、科学技術の発展に資するのがSASの設立趣旨です。ぜひ分野の異なる発表を聞いて、今後の糧にしてください」と語りかけました。

35回目の開催となる今回のシンポジウムでは、2日間にわたって4つのポスターセッションが行われ、4大学19研究室から延べ83件の発表がありました。

SAS理事長の山田豊本学名誉教授は、「コロナ禍を経て、昨年度から再び対面でシンポジウムを開催できるようになりました。学生のプレゼンは年々レベルが高くなっているように感じます。ここで経験を積み、学会などに出ていく第一歩にしてほしい」と期待を語りました。

源馬准教授は、「これまでは一人3分程度のショートプレゼンテーションをメインにしていましたが、今年度から全てポスター発表とし、学生による審査も取り入れました。シンポジウムを通して学生と参加者の議論の場を増やし、よりよい交流ができたのでは」と話していました。

 

■東海大学・お知らせ(工学部ニュース)に掲載

https://www.u-tokai.ac.jp/ud-engineering/news/11923/


機械工学科(材料科学科)の宮沢教授が藤嶺学園藤沢高校で出張講義を行いました

2023年9月22日

工学部機械工学科(材料科学科)の宮沢靖幸教授が9月22日に、神奈川県藤沢市にある藤嶺学園藤沢高校で出張講義を行いました。同校が2年生を対象に実施している「大学を考える」の授業の一環で、2013年度から依頼を受けて毎年実施しています(2020、21年度はコロナ禍の影響で中止)。今回は「材料から知る工学(エンジニアリング)の奥深さ~飛行機や新幹線と蜂の巣の意外な関係~全てのモノづくりは金属材料と接合技術が起点だ!」と題して講義と実験を行い、約30名の生徒が受講しました。

 

宮沢教授は、長年にわたって研究している「ろう付け」が自動車エンジン部品や高機能なエアコン、冷蔵庫などの製造に必要な技術であることをはじめ、工学部の特徴、湘南キャンパスの規模などを紹介。輸送機器の車輛に必要な材料と関連技術、車輛重量などについても解説し、「段ボールやプラスチックなど軽い材料はいろいろありますが、旅客機の機体は軽くて強い材料で作る必要があります」と説明しました。正六角形柱が隙間なく並んだハチの巣状の「ハニカム構造」を使ったサンドイッチパネルの製造方法について話した後、生徒たちは宮沢教授が厚紙で作ったパネルに乗って強度を確認しました。続いて、天気予報に用いられる衛星打ち上げに必要なロケットエンジンの部品を見せながら仕組みを説明。形状記憶合金について、「特殊な方法で形を覚えさせ、設定した温度になると覚えた形に変形します。その機能を利用した製品がメガネフレームです」と話し、生徒たちは実際にバネ状の形状記憶合金を伸ばしてお湯につけると元に戻る実験を体験しました。

 

宮沢教授は、「普通科の高校には文系・理系の大学出身の教員がいますが、工学部出身の教員はほとんどおらず、生徒たちにとって工学は少し遠い存在になってしまっています。講義だけではなく、展示や実験を通して自分の目で見て体験することで、興味を持ってもらうきっかけをつくりたい」と話します。「講義から2日後にパシフィコ横浜で開催された大規模進学相談会で、“講義が興味深く楽しかった”といって東海大学のブースに来てくれた生徒がいたそうで、大変うれしく感じています。今後もこうした活動を続けていきたい」と話していました。

 

■東海大学・お知らせ(工学部ニュース)に掲載

https://www.u-tokai.ac.jp/ud-engineering/news/11362/


医学部の今井講師、後藤講師と工学部の葛巻教授が「MARC×湘南アイパーク シーズ発表会」で研究シーズを紹介しました

2023年9月7日

医学部医学科の今井仁講師(総合診療学系健康管理学領域/総合医学研究所所員)、後藤信一講師(総合診療学系総合内科学領域/同研究員)と工学部機械工学科(材料科学科)の葛巻徹教授(マイクロ・ナノ研究開発センター)が、9月7日に神奈川県藤沢市の湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)で開催された「MARC×湘南アイパーク シーズ発表会」で研究シーズを紹介しました。この催しは、2017年に慶應義塾大学を中心に首都圏の私立大学等とともに設立され、昨年4月に一般社団法人化した首都圏ARコンソーシアム(MARC)と、日本最大級のライフサイエンス研究施設である湘南アイパークの連携により初めて開かれた、アカデミアと企業のマッチングイベントです。MARC加盟機関の研究者が18件の研究シーズを口頭とポスターで紹介し、オンラインでも公開されました。

 

今井講師は、「クローン病における病原性共生菌に対するモノクローナルIgA抗体の臨床応用」をテーマに発表。炎症性腸疾患の一つである難病「クローン病」の原因となる病原性共生菌「AIEC」(接着性侵入性大腸菌)に特異的に反応する抗体「IgA」に関する研究成果を紹介し、「モノクローナルIgA抗体の活用により正確な病原性共生菌の保菌者の診断が可能になります。抗体が持つ腸管上皮細胞への細菌の接着を阻害するという特徴を活かして治療への応用も検討していきたい」と語りました。

 

葛巻教授は、「脂肪由来幹細胞積層体からの腱様組織形成技術の開発」と題して発表。ヒト脂肪由来幹細胞の積層構造体(三次元構造体)に両側から牽引する力を加えると、特異的な部分で腱やじん帯と同様の細胞組織へと分化が進むとともに、その細胞から産生されたコラーゲン線維だけが牽引した方向に配列するという成果について説明し、「このメカニズムを応用して独自の牽引培養技術を開発し、ヒトの腱やじん帯に移植可能な組織の形成を目指します」と述べました。

 

前職である慶應大の研究者として登壇した後藤講師は、同大学在籍中に留学先のアメリカ・ハーバード大学で取り組んだ研究成果として、「12誘導心電図を用いた心房中隔欠損検出技術の開発―AIによる自動診断を用いて―」をテーマに発表。日本とアメリカの3つの医療機関で測定した心電図と心エコー検査の結果をAIに深層学習させて開発した心房中隔欠損症の診断モデルを紹介し、「たった1枚の心電図から高い精度で疾患が感知できるため、早期診断・治療が可能になると考えられます」と有用性をアピールしました。

 

ポスター発表では、今後の研究の方向性や臨床応用の可能性について参加者と意見交換。メディカルサイエンスカレッジ伊勢原研究推進部の穂積勝人部長(基礎医学系生体防御学領域)は、「研究成果を臨床につなげるためには企業との連携が不可欠であり、今回はそのための貴重な機会をいただきました。今後も早期の社会実装を目指し、積極的に研究シーズを発信していきたい」と話していました。

 

■東海大学・お知らせ(工学部ニュース)に掲載

https://www.u-tokai.ac.jp/ud-medicine/news/6513/


大学院生のミュチュアさんと吉田さんが国際会議でポスター賞を受賞しました

2023年8月7日

源馬龍太准教授(工学部)の研究室に所属するエリック マサック ミュチュアさん(大学院工学研究科応用理化学専攻2年次生)と吉田有章さん(大学院総合理工学研究科総合理工学専攻1年次生)が、6月24日から28日までギリシャで行われた「International Conference on Diffusion in Solids and Liquids(固体および液体の拡散に関する国際会議)」でポスター賞を受賞しました。源馬准教授の研究室では、水素の吸蔵や取り出しを可能にする「水素吸蔵合金」や、「二酸化炭素のメタン化」に関する研究を行っています。

水素エネルギーは世界的に二酸化炭素排出量の削減が求められる中で注目されていますが、気体水素を貯蔵する上では、軽い材料で作られた水素吸蔵合金に水素をできるだけ多く貯蔵することが重要です。国際協力機構(JICA)留学生のマサックさんが発表した研究テーマは、「Mg(マグネシウム)の水素吸蔵特性について」で、金属の中でも特に軽いMgで作製された水素吸蔵合金が持つ、水素を吸蔵する際や取り出す際の反応速度が遅いという課題が、Nb(ニオブ)の酸化物を入れることで改善される具体的な理由を解明するものです。マサックさんは、「Nbの酸化物を入れる改善方法はすでに他の研究者によって提示されていましたが、その酸化状態が反応速度に影響を及ぼしているのではないか」と研究を始め、導いた結果が仮説通りとなったことをまとめました。「もともと再生可能エネルギーに関心があり、関連研究を進められる東海大学を留学先に選びました。今回の発表を通して新たな研究のヒントを得られたので、引き続き学びを深めていきたい」と話しています。

 

吉田さんは、「CaCO3(炭酸カルシウム)からのメタン生成に対するLa(ランタン)添加の影響」をテーマに発表。カキ殻などの廃棄物にも含まれるCaCO3を加熱し、発生したCO2を水素と反応させてメタンに変換する際に、その間の触媒としてLaを添加することで生成されるメタン量の変化を確認しました。「地球温暖化の原因であるCO2を都市ガスの主成分であるメタンに変換するなど、現代では資源を循環させる技術が求められており、炭素材料の原料にもなるメタンにはさまざまな可能性が広がっています。国際会議には初めての参加で緊張もありましたが、専門知識を持つ方々と英語で意見交換できて、非常にいい経験になりました」と話しました。

 

指導に当たる源馬准教授は、「彼らの発表を見ながら、私が大学院生として初めて学会で発表したときのことを思い出しました。慣れない環境での発表で緊張もあったと思いますが、参加した2名が受賞したことを大変うれしく思っています」と語りました。

 

■東海大学・お知らせ(工学部ニュース)に掲載

https://www.u-tokai.ac.jp/ud-engineering/news/10572/

 

 

■東海大学新聞(2023年9月1日 第1130号)にも掲載

(左に新聞記事を掲載)


工学研究科の大学院生らがまとめた論文が国際ジャーナル『Diamond and Related Materials』に掲載されました

2023年7月27日

大学院工学研究科を2022年度に修了した小森貴文さんらが執筆した、優れた耐久性と柔軟性を持った熱電材料「単層カーボンナノチューブ」に関する論文4月17日付けで、国際ジャーナル『Diamond and Related Materials』に掲載されました。

 

小森さんらの論文は「Effect of Seebeck coefficient distribution across pn-junction in carbon nanotube films for photothermoelectric power generation by localized sunlight irradiation(局所太陽光照射による高熱発電におけるpn接合カーボンナノチューブ膜のゼーベック係数分布の影響)」。所属した高尻雅之教授(工学部)の研究室では、熱を電気に変換する熱電変換材料の研究に取り組んでいます。カーボンナノチューブには、プラスの電気を発生させるp型と、マイナスの電気を生むn型の2種類の性質があります。それぞれの性質を持つ分散液をカーボンナノチューブ薄膜に垂らして(pn接合)、局所的に人工太陽光を照射。照射部分と非照射部分との温度差から発生した電圧の出力を4時間計測しました。その結果、一定の温度差を保ち続けて約0.6 mVを維持し、安定的な電圧を出力させ続けることに成功しました。このpn接合を熱電変換に生かした研究は、同研究科を21年度に修了した則正雄賀さんが19年度から始めたもので、小森さんが則正さんの研究を引き継いで修士論文としてまとめました。

指導した高尻教授は、「温度差で発生した電圧は一時的なものかと思っていましたが、4時間安定して出力されたということは、それ以上の時間で計測を続けても電圧が安定する可能性を示唆するものです。今回の研究で発見した課題について、大学院生や学生とともにさらに研究を進めていきたい」と語りました。また、高尻教授の研究室に所属し、実験や学会発表のサポートを通じて論文掲載に貢献した星野光稀さんと山本久敏さん(大学院工学研究科1年次生)、高田悠平さん(工学部4年次生)は、「小森さんの研究を手伝う中で、自分たちが取り組んでいる研究についても新たな視点を持つことができました。また、研究に対する計画や過去に行われてきた関連研究への理解など、熱心に研究に取り組む小森さんの姿を見て刺激を受けました」と話しました。

[Diamond and Related Materials]

https://www.sciencedirect.com/journal/diamond-and-related-materials

[掲載論文]

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0925963523002546

 

■東海大学・お知らせ(工学部ニュース)に掲載

https://www.u-tokai.ac.jp/ud-engineering/news/10551/

 

■東海大学新聞(2023年8月1日 第1129号)にも掲載(左に新聞記事を掲載)


宮沢教授が長年の功績を評価され「界面接合功労賞」を受賞しました

2023年6月14日

工学部・機械工学科、兼 材料科学科の宮沢靖幸教授がこのほど、溶接学会の界面接合研究委員会から「界面接合功労賞」を贈られました。界面接合は同委員会が世界で初めて発信した「母材をほとんど溶かさない接合プロセス」のことで、同委員会は研究者同士の情報交換や企業との連携などを目的に活動しています。功労賞は15年以上にわたって多大な貢献を果たした会員に贈られるもので、宮沢教授は2004年から幹事を務め、12年から副委員長、16年から委員長となり、4年の任期終了後は再び幹事の職を担ってきました。

 

宮沢教授は長年、部品と部品の間に別の金属を挟んで接合する「ろう付」技術の研究に取り組んでいます。部材の一部を溶かして接合する「溶接」とは異なり、細かな加工が可能であり、自動車部品の高性能化や家電製品や工業製品の高機能化、カーボンニュートラルの達成にも大きく貢献しています。「私たちの日々の生活には電子基板の入った機器があふれています。一つひとつの部品をつくる人はいても、それらをつなぎ合わせる技術や考えを持つ人は決して多くはありません。これまで、新製品の開発や改良悩む企業から相談を受けて、産学連携でさまざまな研究に取り組んできました」と振り返ります。「界面接合功労賞は企業人の受賞者が中心であり、大学教員が受賞するのはおそらく初めてではないでしょうか。これまでの取り組みを評価していただき大変うれしく感じています。これからもさまざまな企業が抱える問題を『ろう付』技術で解決していきたい」と話しています。

 

■東海大学・お知らせ(工学部ニュース)に掲載

https://www.u-tokai.ac.jp/ud-engineering/news/10243/

 


工学研究科の大学院生らがまとめた論文が国際ジャーナル『Diamond and Related Materials』に掲載されました

2023年5月2日

大学院工学研究科を2021年度に修了した江口陸生さんと同研究科1年次生の星野光稀さんがまとめた論文「Sb2Te3 nanoparticle-containing single-walled carbon nanotube films coated with Sb2Te3 electrodeposited layers for thermoelectric applications」が4月8日付けで、国際科学ジャーナル『Scientific Reports』に掲載されました。

 

[Scientific Reports]  https://www.nature.com/srep/

[掲載論文]  https://www.nature.com/articles/s41598-023-33022-4

 

2人が所属する高尻雅之教授(工学部)の研究室では、熱を電気に変換する熱電変換材料の研究を展開しています。今回の論文は、優れた耐久性と柔軟性を持った熱電材料「単層カーボンナノチューブ」に関するもの。ウェアブル端末をはじめ、各種センサーの電源への活用が期待される一方で、そのためにはさらなる熱電性能の向上が必要とされています。そこで、江口さんと星野さんは単層カーボンナノチューブの特性を生かしつつ、発電効率を上げるために無機化合物「テルル化アンチモン」を単層カーボンナノチューブ薄膜に電着コーティングする新技術を発案。その結果、4.7倍の熱電効率をすることに成功しました。

指導に当たる高尻教授は、「熱電効率の向上により、カーボンナノチューブに関する研究の幅がさらに広がりました。今後も大学院生や学生とともによりよい熱電変換材料を追求し、社会実装へとつなげていきたい」と語り、星野さんは、「論文掲載までには何度もデータを取り直してきたので、江口さんをはじめ先輩方の熱心な姿勢を学びながら、研究に取り組むことができました。今後はコーティングする材料を変えてさらなる熱電効率向上を目指します」と話しています。

 

 

■東海大学・お知らせ(工学部ニュース)に掲載

https://www.u-tokai.ac.jp/ud-engineering/news/10125/

 



材料科学科ニュース (2022年度)


大学院工学研究科修士2年次生の学生が執筆した論文がオンラインジャーナル誌『Scientific Reports』に掲載されました

2022年1月19日

大学院工学研究科応用理化学専攻2年次生の安間有輝さんと三浦克真さん(指導教員=工学部応用化学科・高尻雅之教授)が執筆した論文「Ultra-long air-stability of n-type carbon nanotube films with low thermal conductivity and all-carbon thermoelectric generators」が、12月14日に国際科学ジャーナル『Scientific Reports』に掲載されました。

【論文URL】https://www.nature.com/articles/s41598-022-26108-y

 

筒状炭素分子「カーボンナノチューブ」に、洗剤や化粧品などに含まれる陽性界面活性剤を添加して薄膜を作製することで、従来のものと比較して約10分の1まで熱伝導率を低減するとともに、2年以上大気中で超長期間安定してN型半導体特性を示すカーボンナノチューブ複合膜の開発について報告しました。カーボンナノチューブは、空気中に含まれる酸素分子の影響でP型になりやすい性質上、安定したN型を作製することは困難とされてきましたが、陽性界面活性剤でカーボンナノチューブの表面をコーティングして酸素分子の吸着を防ぐことによって、2年以上大気中で超長期間安定性を実現しました。また、これを基に熱エネルギーを電気エネルギーに変換する「オールカーボンナノチューブ熱電発電デバイス」も試作し、長期間(160日間)の性能劣化のない発電に成功しました。今回の開発によって、熱電発電をはじめとしたN型とP型カーボンナノチューブを使用した半導体デバイスの長寿命化・普及に大きく貢献できることが期待されています。

安間さんは、「研究を論文にまとめて世界に発表できたことは、春から働く上でも大きな自信につながりました。N型特性を2年以上安定化させる技術は、世界最長の成果なので研究や技術のさらなる発展につながってくれたらうれしいです。社会に出たら大学での研究で培った知識を生かして、社会を支える製品開発に尽力していきたい」と意欲を見せ、三浦さんは、「カーボン材料研究の発展に貢献できたことをうれしく思います。コロナ禍でのブランクを埋めるために研究論文を読み漁って知識をつけるなど、その時々でできることに一生懸命取り組んできました。振り返ると大変なこともありましたが、まだ事例がない新たなことに挑戦する面白さを学びました。4月からはカーボン材料を取り扱うメーカーへの就職を予定しているので、これまで学んできた知識や経験を生かして社会の役に立つ仕事をしたい」と語っていました。

 

学生と一緒に研究してきた高尻教授は、「この研究は2018年より開始したものですが、新型コロナ禍でキャンパスへの入構が制限され、計測が途中で止まる事態にもなりましたが、2人は入構制限解除後すぐにデータ収集にとりかかってくれました。その姿勢が論文掲載という研究の最終段階までの成果につながったのではないかと思います。IoT社会実現には、大量のセンサーが必要となるので、有害性が低く半永久的に使えるカーボンナノチューブは、重要な役割を果たすと考えられます。2人は、3月で卒業となりますが研究室のメンバーが引き継いで、今後はN型が長期間持つメカニズムの解明に向けて、さらに研究を進めていきます」と話しています。

 

■東海大学・お知らせ(工学部ニュース)に掲載

https://www.u-tokai.ac.jp/ud-engineering/news/8495/

 

■東海大学新聞(2023年2月1日 第1123号)にも掲載(右に新聞記事を掲載)

 


材料科学科卒業生のインタビューが広報誌TOKAIに掲載されました!

2022年5月19日

OBの松村享佑さん(2014年度材料科学科卒業、2016年度工学研究科金属材料工学専攻修了)のインタビュー記事が東海大学広報誌TOKAI 206号 に掲載されました!

 




材料科学科ニュース (2021年度)


2022年度「クラウドファンディング型社会発信研究補助計画」の1次採択に、工学部材料科学科・高尻教授の研究が選出され、クラウドファンディングに挑戦します

2022年2月15日

東海大学総合研究機構の2022年度「クラウドファンディング型社会発信研究補助計画」の1次採択に工学部材料科学科・高尻教授の研究が選出(他、3件の研究が選出)され、2月16日から学術系クラウドファンディングサイト「academist(アカデミスト)」で寄付金の公募がスタートします。この取り組みは、「academist」を運営するアカデミスト株式会社と本機構のパートナーシップ契約に基づき学内公募したテーマの研究費の支援を、寄付金額が目標に達した場合のみ成立する「All or Nothing型」で募り、研究遂行に必要な経費の半分を獲得した際に残りの研究費を本機構が補助する制度です。今回は、3月末まで寄付金を公募します。

 

◇工学部材料科学科 高尻雅之教授

カーボンナノチューブを活用し、IoTセンサの独立電源を開発したい!

https://academist-cf.com/projects/245?lang=ja

 

<毛細管現象と気化熱冷却を利用した熱源不要の熱電発電デバイス>

Internet of Things(IoT)技術の発展には、膨大なセンサおよび配線不要な独立電源が欠かせません。独立電源は、取り替えや充電が不要であることが望ましく、その候補のひとつとなるのが、単層カーボンナノチューブ(CNT)を使用した「熱電発電デバイス」です。

熱電発電デバイスとは、熱エネルギーを電気エネルギーに変換できるデバイスのことで、熱電材料内で発生した温度差から電圧・電力を取り出します。しかし従来技術では、材料中に温度差を発生させるために、発電デバイスを熱源に取り付ける必要がありました。

そこで私たちは、CNT膜中に小さな隙間が無数にあることに着目し、毛細管現象と気化熱冷却を利用した水に浮かべるだけで発電する「熱源不要の熱電発電デバイス」の開発を目指しています。

 

東海大学・お知らせに掲載

https://www.u-tokai.ac.jp/news-notice/53462/

 


大学院工学研究科の安間さんが「SDGs学生カンファレンス」で講演しました

2021年12月14日

大学院工学研究科応用理化学専攻1年次生の安間有輝さん(指導教員=材料科学科・高尻雅之教授)が、11月24日にオンラインで開催された「SDGs学生カンファレンス」(主催:マイナビ学生の窓口、環境省)で講演しました。学生や大学院生が環境問題を交えて日ごろの活動について発表し、国連が掲げる持続可能な開発目標「SDGs(Sustainable Development Goals)」を身近に感じてもらうことを目的に実施されている催し。安間さんをはじめ、中部大学や千葉大学、岐阜聖徳学園大学、千葉商科大学、京都大学の代表者がそれぞれ講演し、学生や関係企業の社員ら約70名が聴講しました。

 

安間さんは「持続的なクリーンエネルギーの供給に向けて~廃熱を電気にする材料の開発~」と題して研究成果を発表しました。日常生活の中で生じる温度差を利用して発電できる仕組み「熱電発電素子」に注目。2種類の金属を組み合わせて温度差を生み出すことで、金属間に電気が発生する「ゼーベック効果」を活用し、身の回りで発生する廃熱を電気に変えて利用するクリーンエネルギーについて解説しました。また、熱電発電素子の材料は希少金属が主流となっていることを説明し、高額で流通が困難な現状であることや、毒性が含まれるために用途が限られてしまうことについても言及。現状を打開する有効な策として期待されている「カーボンナノチューブ(CNT)」は希少金属より持続的に活用できることや、毒性も少なく柔軟性にも優れているといった利点を説明しました。一方で、熱電発電素子は限られた環境下の廃熱利用だけでなくさまざまな用途で利用可能ですが、性能の安定性が確立できていないという課題を提示しました。

 

「講演する学生の大半が文系でしたが、講演後には“別の視点でSDGsの捉え方があるのか”と興味を持っていただけてうれしかったです。オンラインではありましたが、大人数の前で自分の研究を専門外の人を対象に発表する貴重な経験ができ、講演会への参加を勧めてくれた高尻先生に感謝しています。今後は、希少金属を用いた熱電発電素子の性能向上をはじめ、希少金属の代わりになる他の材料も模索していきたい。マイクロプラスチック問題をはじめとした環境問題解決に研究技術が応用できないかも考えていく」と語っています。

 

指導に当たる高尻教授は、「自身の研究を『誰にでもわかるように説明する』のは、とても難しいことです。安間君の発表は言葉だけでなく、図やイラストを使って視覚にも訴える工夫をしていました。講演会の参加後は、これまで以上に自主的に研究に励むなど、意欲が高まったように感じています」と話しました。

 

東海大学・工学部ニュース

https://www.u-tokai.ac.jp/ud-engineering/news/5669/

 


大学院生の鬼塚さんが国際シンポジウム「ISIMP2021」でポスター賞を受賞しました

2021年12月14日

大学院工学研究科応用理化学専攻2年次生の鬼塚直哉さん(指導教員=材料科学科・松下純一教授)が、10月26日から29日にかけてオンラインで開催された国際シンポジウム「International Symposium on Innovation in Materials Processing(ISIMP2021)」でポスター賞を受賞しました。

 

鬼塚さんの研究テーマは「水酸アパタイトにチタン酸アルミニウムを添加したバイオセラミックスの評価」です。日本をはじめとした世界各国では少子高齢化が進行し、生体組織の修復や置換のための生体材料の需要が高まると考えられており、中でも人工骨は運動や臓器保護など身体の重要な役割を担う復置換材料として開発が必要といわれています。一部のセラミックスは生体親和性に優れていることから人工骨などの生体材料として有能で、中でも「水酸アパタイト(Hydroxyapatite)」は骨の無機成分の大半を占めているため置換材料として注目を集めています。ですが、水酸アパタイトは骨に比べて脆いという欠点があり、単体での利用が困難とされています。鬼塚さんは、高い強度を誇る生体親和性材料「チタン酸アルミニウム」を水酸アパタイトに添加した試料の機能的特性及び生体親和性について研究。添加する割合や擬似体液(SBF溶液)にどのくらいの期間浸漬するか実験し、チタン酸アルミニウムを4%添加して擬似体液に7日間浸漬したものが骨の代替材料としての可能性を秘めていると導き出しました。

 

工学部4年次生のときに松下教授の研究室に所属してから本研究に取り組んできた鬼塚さん。「バイオセラミックスに関心を持ったきっかけは、祖母が定年退職した後に骨折で長期の治療が必要になり、すぐに移植して骨の一部になるような人工骨を作りたいと考えたことでした。松下先生や研究室の仲間のサポートがあったからこそ、今回の受賞につながったと感じています。国内外の研究者や技術者ら500名以上が参加する国際シンポジウムで評価してもらったことで、自分の研究意欲向上にもつながりました。来年4月からは自動車メーカーへの就職が決まっているので、これまで大学で学んできたセラミックスの知識を生かしていきたい」と意欲を語りました。

 

東海大学・工学部ニュース

https://www.u-tokai.ac.jp/ud-engineering/news/5674/

 


大学院工学研究科の学生が執筆した論文が国際ジャーナル誌に掲載されました

2021年12月10日

大学院工学研究科応用理化学専攻の則正雄賀さん(修士2年)と長谷匡高さん(修士1年)が執筆した論文が、11月12日に国際ジャーナル誌「Applied Physics Express」のオンライン版に掲載されました。今回掲載された論文では、微小領域における物質の硬さを評価するナノインデンテーション法を用いて、熱の輸送媒体である「フォノン」の輸送特性(フォノン平均自由行程(Mean Free Path))を測定しました。これまでフォノン輸送は特殊な大型装置で測定するか、計算でしか求められておらず、今回開発した比較的簡便な測定方法であり、熱輸送解析技術の発展に期待されています。

 

所属する高尻雅之教授(工学部材料科学科)の研究室では、様々な場所で発生する温度差を電気に変換する熱電変換素子の研究に取り組んでいます。2年前に本学工学部光・画像工学科の室谷裕志教授の研究室による「ナノインデンテーション法を用いた表面層の硬さ試験」の研究発表を聞いた2名は、「材料の硬さを求める際の弾性率から、熱輸送の測定ができるのではないか」という視点から本研究に着手しました。フォノンの平均自由行程の測定には、計算で物性値が数多く調べられているシリコンを用い、測定結果は計算で導き出した物性値とほぼ同様の値を示しました。この測定方法が確立されたことにより、今後、ナノ構造材料をはじめとした多くの材料の熱輸送特性評価に貢献していくものと予想されます。

 

来年の4月から研究関係の企業に就職する予定の則正さんは、「大学生という短い期間で、新たな測定手法を開発し世界に発表できたことは、春から研究者として働く上で大きな自信となりました。社会に出たら大学での研究で培った知識や経験を生かして、社会を支える製品開発や研究に尽力していきたい」と意欲を見せました。今後、この研究を中心となって引き継いでいく長谷さんは、「従来の方法と違うアプローチの研究だったので、手探りで進めていった点が大変でした。初めて論文が掲載されてうれしい反面、これに甘んじることなく研究成果を出せるように精進していきたいと考えています。これからはデータ収集や測定値の精度向上などから、より実用的な形にしていきたい」と話しました。

 

学生と一緒に研究してきた高尻教授は、「この研究は他に発表している人がいるのではないかと不安もありましたが、論文の査読者から“とても価値のある新しい研究だ”という評価をいただき、安心しました。世界で初めての発見に携わった経験は、学生たちの自信にもつながったのではないかと思います。ナノインデンテーション法からフォノンの平均自由行程を測定できることが立証されたので、今後は多様な材料に活用するために、さらに研究を進めていく予定です」と話しています。

 

東海大学・工学部ニュース

https://www.u-tokai.ac.jp/ud-engineering/news/5665/

 


 

東海大学同窓会オンラインホームカミングデー2021の開催について

 

2021年10月25日

今年度は建学祭と同様に、初めての試みとして「オンラインホームカミングデー」として開催します。11月3日は代々木校舎特設会場からのLIVE配信も予定しています。詳細は下記の通りです。ぜひオンラインでのご参加をお待ちしています。
■オンラインホームカミングデー2021 特設サイト■
特設サイト公開期間 2021年11月1日(月)~次回開催まで
※一部のコンテンツは公開期限があります。
≪LIVE配信≫  2021年11月3日(祝)10:00~16:00

大学院生の澤原さんが日本金属学会の「2021年秋期講演大会」で優秀ポスター賞を受賞しました

 

2021年10月12日

 大学院工学研究科応用理化学専攻2年次生の澤原馨登さん(指導教員=源馬龍太講師・工学部材料科学科)が、9月14日から17日までオンラインで開催された日本金属学会の「2021年秋期講演大会」で優秀ポスター賞を受賞しました。

 今回発表した研究テーマは「水素吸蔵合金を用いたメカノケミカルCO₂メタネーションにおける原子状水素供給の影響」です。CO₂(二酸化炭素)をCH₄(メタン)に変換するためには200~300℃の熱を加える方法が一般的ですが、澤原さんは水素貯蔵量の多いLaNi₅(ランタンニッケルファイブ)とパチンコ玉ほどの鉄の玉を金属のポットに入れて振動を加える「ボールミリング法」を応用し、熱を加えないで変換する独自の実験装置を開発。その中で、ポット内部でLaNi₅と鉄の玉がぶつかって放出された水素がCO₂と合わさってCH₄化する「CO₂メタネーション」のプロセスを可視化したことが評価されました。「地球温暖化の原因であるCO₂を都市ガスの主成分であるCH₄に変換できれば、資源循環型社会の実現に向けた一歩になるのではないかと考えました。CO₂メタネーションにはまだ課題が多く、すぐにCO₂削減効果が出るわけではありませんが、ほかのエネルギー分野にも活用できる基礎研究として面白い結果が出せたと感じています」と話しました。

 

https://www.u-tokai.ac.jp/ud-engineering/news/5571/

 


工学部材料科学科・高尻教授らの研究「気化熱利用し発電 東海大、IoT向け装置を開発」が 日経新聞電子版に掲載されました

 

2021年08月12日

大学院工学研究科応用理化学専攻2年次生の千葉知志さんらの研究が 日経新聞電子版に掲載されました。

(指導教員=工学部材料科学科・高尻雅之教授)

気化熱利用し発電 東海大、IoT向け装置を開発: 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

科学ジャーナル『Scientific Reports』にも掲載されています。

Heat source free water floating carbon nanotube thermoelectric generators.」(Published: 19 July 2021)

 

<日本経済新聞・掲載記事>

東海大学の高尻雅之教授らは、水に浮かべて発電する装置を開発した。

水が蒸発する際に周囲から奪う気化熱を使う。水質を管理するセンサーなどあらゆるモノがネットにつながる「IoT」機器向けに活用する。

電池などに頼らず発電するには温度差による熱エネルギーを利用する方法があるが、柔軟性や厚みが課題で、温度差を生み出す熱源も必要だ。

研究グループは筒状炭素分子「カーボンナノチューブ」の膜を装置に使った。

膜を乗せる板に穴を開け膜が水に触れる部分と触れない部分を作った。水に触れる部分は膜中の小さな隙間から水が通り、気化熱で温度が下がる。水の通らない部分と温度差ができることで薄い膜でも装置内に温度差が生まれた。水温、風や光など複数の一定条件下でも安定した電圧が得られた。

 

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東海大学・工学部ニュースにも掲載されました。

https://www.u-tokai.ac.jp/ud-engineering/news/5476/

 

学院生の千葉さんが水面に浮かべるだけで熱源不要な「カーボンナノチューブ熱電発電デバイス」の開発に成功しました

 

2021年08月12日

大学院工学研究科応用理化学専攻2年次生の千葉知志さん(指導教員=工学部材料科学科・高尻雅之教授)らが、水面に浮かべるだけで熱源不要な「カーボンナノチューブ熱電発電デバイス」の開発に成功し、研究成果をまとめた論文が7月19日にオンラインジャーナル『Scientific Reports』に掲載され、科学新聞(8月6日)と日本経済新聞(8月13日朝刊)にも取り上げられました。

熱電発電デバイスとは、熱エネルギーを電気エネルギーに変換するデバイスで、熱電材料内に発生した温度差から電圧・電力を取り出すことができます。これまでは材料中に温度差を発生させるために、発電デバイスを熱源に取り付ける必要がありました。そこで、高尻教授の研究室に所属する千葉さんらは、筒状炭素分子「カーボンナノチューブ」の膜を使用したデバイスを作成。膜を載せる板に穴をあけ、水に浮かべた際にカーボンナノチューブが水に触れる部分と触れない部分を作り、温度差を生み出すことで熱源を必要としない熱電発電デバイスの開発に成功しました。このデバイスは、昼夜を問わず、水に浮かべるだけで安定した電力を得られることや、風・光量により電力が向上することも分かっており、今後はさまざまなIoTセンサの電源としての応用が期待されます。

 

千葉さんは工学部に在籍していた2年前からこの研究を開始。昨年度は新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、キャンパス内への入構が制限される時期もありましたが、その期間にも関連の論文を読み込み、研究計画を練るなどして準備を重ねてきました。デバイスの開発に成功し、「多くの方から注目していただきとてもうれしい。今後はさらにデバイスの発電量が増やせるように研究を進めていきたい」と笑顔を見せています。また、研究をサポートした安間有輝さん(大学院工学研究科応用理化学専攻1年次生)は、「千葉さんの熱心かつ、丁寧に研究に取り組む姿勢はとても勉強になりました。私もカーボンナノチューブに関する研究に取り組んでいるので、その成果を論文で発表できるように努力していきたい」と話し、指導に当たる高尻教授は、「熱源を使用せずに、デバイス内で一定の温度差をつくり続けるにはとても高度な技術が必要で、素晴らしい研究成果だと感じています。千葉さんは研究室のリーダーも務めており、とても熱心に研究に向き合っていました。在学時はもちろん、大学院修了後もその姿勢を忘れずに、社会に役立つ技術開発を続けてほしい」と期待を語っています。

 


 

KMITLの学生を対象としたラボトレーニングプログラムをオンラインで実施しました

 

2021年07月27日

6月2日から7月16日まで、タイ・モンクット王ラカバン工科大学(KMITL)の学生を対象としたラボトレーニングプログラムをオンラインで実施しました。

日本語や工学分野への理解を深めることなどを目的に、KMITLと本学との学術交流協定に基づいて実施している研修プログラムです。

例年は両大学の学生が交換留学し対面での研修を実施していますが、昨年度は中止に。

今年度はオンラインで実施し、工学部から3研究室、理学部から1研究室が研修生の受け入れました。

 

材料科学科では、宮沢靖幸教授が研修生を受け入れています。

宮沢教授の研究室では大学院生が自身の研究概要を説明し、スマートフォンで実験の様子をライブ中継する場面も。(下記、写真)

大学院総合理工学研究科の田島晃さんは、「普段私たちがどんな環境で実験をしているのか知ってもらうために、ライブ中継を考えました。『はんだ付け』や『ろう付け』を研究しているグループは日本でも数少ないので、紹介する機会を設けられてよかった」とコメント。宮沢教授は、「対面で一緒に実験や食事をして交流を深めることができないのは残念ですが、学生たちがオンラインでも創意工夫し研究を紹介してくれたので、その分成長につながったと感じています。タイの2名の学生にはこの研修で学んだことを自身の研究にも生かしてほしい」と期待を寄せました。

 

東海大学・ニュースに掲載

https://www.u-tokai.ac.jp/news-section/45994